3人が本棚に入れています
本棚に追加
「失礼ね。だって私は努力しているもの。それより、どうやら彼の奥さまはずいぶん太っているらしいわよ? たぶん、優しい旦那さんがたくさん甘やかしてるのね」
息子が下を向いている。
笑いをこらえているらしい。
それにしてもあいつ、ずいぶん前から奏さんともワッピとも連絡を取り合ってたんだな。
『優しいのはウチのダーリンも負けていないのです。学生時代と変わらず、毎日のようにお菓子を買ってきてくれますし』
「あ、そうだった。江上くん、元気? たしかワッピを追いかけて東京へ行ったんだよね? 噂は聞いたよ」
『はぁい、元気ですよー? 相変わらず歌を作って歌っております』
江上くんは私と同じ地元私立大学へ進学して、同じ『放送研究部』でずっと一緒に大学時代を過ごした。
実は、ワッピも我らが『放送研究部』の後輩だ。
江上くんを追いかけて私たちの大学へとやって来て、私たちとかけがえのない青春の一ページを共有した。
実に懐かしい。
その後、先に卒業した江上くんは地元の会社で働いていたが、ワッピが卒業後に就職で一定期間だけ東京へ行くと聞いて大慌て。
最初のコメントを投稿しよう!