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そして、それらふたつの間にあって、その両方をガラス越しに覗けるようになっているのが、僕ら放送部上級生の憩いの場、『ミキサールーム』だ。
当然、憩っていいのは放送部上級生の僕らだけのはずなのに、なぜかいつも吹奏楽部のこいつもここで憩っている。
「栞、声が大きいよ? ほら、女の子がそんなに下品じゃダメじゃん。ほっぺたにご飯つぶついてるし」
「うるさいわね。つけてるのよ。こうやって食べたほうが美味しいの!」
「はぁ……、そうですか」
僕と栞は、小学生のときからの腐れ縁。小学四年生の秋に栞の一家が隣へ引っ越してきて、それからの付合い。しかも五年生から中学校三年までずっと同じクラス。
比べたら悪いが、栞は奏さんとまったく違うタイプ。おしとやかな感じの奏さんとは似ても似つかない、とにかく元気の塊だ。
美しい長い黒髪が印象的な奏さんに対し、栞の髪型は聖子ちゃんカットをもっと短くパラパラっとしたような感じで、なんというか、すごく活動的。たまに寝ぐせでさらに躍動感が増す。
同じ制服を着ているのに、なんでこんなにも奏さんと違うんだろうか。
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