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ああ、もどかしい。狼の自分を受け入れてもらえてとても嬉しいのに、狼の姿では想いを言葉にすることができない。人間の姿に戻りたい。
強く念じたからだろう、ヴォルフィの身体は人型に戻っていた。ただ、疲労困憊の状況であったからか、耳としっぽは狼のままであったが。
ヴォルフィが心情を吐露すると、リリスは言ってくれた。「人間でも狼でも、ヴォルフィはとっても優しくて、私は大好きよ」と。
翌朝ヴォルフィが目を覚ますと、耳は人間のものに戻り、しっぽもなくなっていた。
狼も人間も、どちらも僕なんだ。どちらか一方だけじゃなくて、両方とも。どちらも好きだと言ってくれた恋人のリリスはサキュバスで、とっても素敵な女の子。
そんなことを思いながらじっと見つめていると、愛おしい恋人が目を覚ました。ヴォルフィはそっとくちづけ、微笑んで言った。
「おはよう、リリス」
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