薬師ヴォルフィの理想と現実・その9

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 何も言えずにいるヴォルフィに、リリスは自らくちづけ、優しく微笑んだ。ヴォルフィは少し瞳を潤ませて微笑み返すと、リリスをそっと押し倒し、ボタンをゆっくり一つずつ外し、丁寧に服を脱がせていった。リリスを丸裸にすると、ヴォルフィは急いで服と下着を脱ぎ捨て、恋人に圧し掛かるようにして、秘所にそっとふれた。既にたっぷり潤っていることを指で確かめると、ヴォルフィはリリスの耳元でそっと囁いた。 「本当に我慢できない。もういい?」 「今日は私も我慢できなかったの」  可愛らしく微笑むリリスにくちづけて、ヴォルフィは彼女の中に身を沈めた。 「リリス……」  ヴォルフィは少し掠れた声で彼女の名を囁く。温かく潤ったリリスの中はたまらなく、ヴォルフィを絡め取るようにうねり、締めつけてきた。リリス自身も離さないと言わんばかりに抱きついてくる。ヴォルフィは夢中で彼女の名を呼びながら、奥を突き続けた。先週からお預けを食らっていたヴォルフィはあっけなく果て、愛おしい恋人の胸で荒く息を吐く。リリスは彼の背中を優しく撫でて、そっと訊ねた。 「気持ちよかった?」 「……すごく」 「今日のヴォルフィの精気、とっても甘くておいしい」 「ん……よかった……」
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