サキュバスリリスにできること

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 どれくらいのペースなら大丈夫なのだろうとリリスは不安に思う。そもそもサキュバスが人間の男をとっかえひっかえするのは、精気を吸われる負担が大きいからだ。恩人を腎虚で殺す訳にはいかない。普通の人間が多い場所での暮らしがまだ浅い上、元々男性との関わりがほとんどなかったので、基準がわからない。ヴォルフィはやや線が細いので、余計身体が心配になってしまうのだ。いつも休日を使わせてしまう訳でもあり、広義で自分は彼の恋路も邪魔しているのではないかとリリスは思う。リリスと一緒に過ごす時間が増えることは、ヴォルフィの出会いの機会を奪うことでもあるから。  ヴォルフィはいつも数回リリスに精を注いでくれた。  一回目は前戯もそこそこに挿入し、リリスを気遣いながら腰を使う。すぐにヴォルフィの精が迸り、この時点でリリスの身体はずいぶん楽になる。  二回目以降は明らかに違った。じっくり時間をかけ、優しくふれ、キスを落とし、なんだかひどく甘い雰囲気で抱いてくるのだ。それこそ、初めての時よりも甘く。
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