サキュバスリリスにできること

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 なぜ二回目以降は違うんですか、とリリスが勇気を出して訊ねると、ヴォルフィは微笑みながら答えた。 「ただ挿れて出すだけなんて、あまりにも味気ないじゃないですか。僕はゆっくり丁寧にするのが好きです」  一回目の行為がむしろ変則的な対応であり、ヴォルフィはリリスの飢えを少しでも早く満たそうとしてくれていたのだと、この時彼女はようやく察した。  長年の飢えが解消されつつあるからだろう。手っ取り早く抱かれる時とじっくり抱かれる時では、注がれる精の味が違うとリリスは気づいた。  手っ取り早い性欲処理のような行為もそれはそれでいい。ガツンと味が押し寄せてくる。あえてジャンクなものを食べたい時はある。  でも二度目以降に注がれる精は味わい深かった。快楽の余韻に浸っている間にじわっと味が身体に沁みてきて、後味もほのかに甘い。
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