サキュバスリリスはいろいろ気になる

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 リリスがヴォルフィの店を訪れるのはいつも金曜だ。貧血薬を処方してもらっていた曜日に定着したのかと思っていたけれど、そのまま休日をのんびり過ごしても問題ないように、というヴォルフィの配慮だったのかもしれない。  いつもヴォルフィがお膳立てをしてくれていて、リリスは自分から行動していない。何もできない自分を疎んでいるはずなのに、与えられることを待っている。誘ってもらえないなら自分から提案すればいいのでは、とリリスは思った。  今年の祭は金曜なので、職場は木曜で終わりだ。木曜にいきなり行ってもヴォルフィをびっくりさせるかもしれないから、水曜の今日、約束を取り付けに行けばいいではないか。そんな風に理由づけて、リリスは終業後ヴォルフィの店へと向かった。  いつもだったら来訪を告げるドアベルにすぐ反応するヴォルフィが、なかなか出てこない。ようやく出てきた彼は少し疲れた様子だった。 「え、リリスさん……?」  いつもより二日早い訪問に、ヴォルフィは困惑した表情を浮かべた。いつも微笑んでリリスを迎えてくれる彼が珍しい。 「何かありましたか?」 「ヴォルフィさん。明日泊まりに来てもいいですか?」 「……ええと……。本当に申し訳ないのですが、仕事が立て込んでいるので、明日はちょっと……」 「明日泊まって、明後日のお昼、ヴォルフィさんと一緒にお祭りに出かけたいなと思ったんです。駄目ですか?」
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