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「獣のように交わればいいのかな? 嫌というほど注いであげますよ」
そのまま腰をつかまれて一気に突かれた。ヴォルフィと後背位を行ったことはこれまでもあったが、こんな風にされたことはなかった。ヴォルフィは紳士で、いつも優しく丁寧に愛撫し、何度もリリスの意志を確認してきたから。
リリスの奥を突き続け、ヴォルフィはすぐに果てた。彼が吐き出した精は、強い甘みと苦味が絡み合っていて、後味がほろ苦かった。
リリスの腰をつかんだまま、ヴォルフィはしばらく荒い息を吐いていた。呼吸が整うと、女陰から男根を抜き、扉を開け、リリスを抱え上げて私室へ入り、ベッドにそっと横たえた。ヴォルフィは手早くリリスが纏っているものを全て剥ぎ、自ら纏うものも脱ぎ捨てる。
リリスの上に覆いかぶさると、ヴォルフィはつぶやくように言った。
「リリスさん、僕だけじゃ駄目ですか……?」
切なさの滲む琥珀色の瞳に、リリスの胸は締めつけられる。身体の負担をかけて拘束しているのが苦しくて、ヴォルフィの気持ちも今一つわからなくて、リリスは自らの想いを告げることに躊躇していた。けれども今、ヴォルフィはリリスを求めている。とても強く。リリスが望んでいた形ではなかったけれど。リリスは何も言わずに離れようとして、おそらくヴォルフィを傷つけてしまったのだろう。
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