53人が本棚に入れています
本棚に追加
ヴォルフィは狼の姿のままリリスの上に乗る。このまま食べられてしまうかもしれない、とリリスは思った。雰囲気は変わらなくても、相手は肉食の獣だ。本能のままに動くなら、リリスを食い殺してもおかしくない。
「いいですよ」
リリスの口からぽろりと出た言葉はそれだった。そもそもヴォルフィが生かしてくれた身体だ。彼が精気を注いでくれなければリリスは死んでいただろう。好きにしていい。彼に求められるなら、結果が死であれ、むしろ本望だ。リリスはそう思った。
狼はリリスの喉に顔を近づけた。噛まれることへの本能的な恐怖からびくりと身体を震わせる彼女に、狼は牙をむかなかった。喉に軽く鼻を押しつけ、舌でそっと舐める。
次に狼はびっくりしているリリスの唇をぺろりと舐め、口をこじ開け、舌を舐め、唾液を啜った。狼なので舌の感触は違う。でも、優しく深いキスをしてくれたヴォルフィと重なり、リリスは安心して力を抜いた。
リリスの咥内を堪能しつつ、狼は彼女の胸に前脚を乗せた。少しひやりとするやわらかい肉球がリリスの乳首をそっとこねる。不思議な感触にリリスの脳は混乱し、快感を覚えてしまった。狼は最後に口を大きく開けてリリスの顔の下半分を囲むように優しく噛んだ。外から見れば食われているようにしか見えないだろう。でも、全く痛くない。口を外されたので、リリスが狼の頭を毛並みに沿ってそっと撫でると、目が優しく笑んだ気がした。
最初のコメントを投稿しよう!