サキュバスリリスとヴォルフィの気持ち

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 ヴォルフィが甘い声で「いい?」と囁いたので、リリスはこくりと頷いた。ヴォルフィがもう一度リリスの中に入ってくる。互いに想い合っているとはっきりわかってからつながるのは、これまでと全く違うぬくもりがあった。  ヴォルフィはリリスにくちづける。咥内を舌で散々貪り、最後に口を大きく開けてリリスの口の周りを優しく噛んだ。 「人間の口だと大してできないな」 「何をしようとしていたの?」 「狼は愛情表現で顔全体を甘噛みするんだ」 「あれはそういう……。じゃあ、また狼の時にやってよ。ヴォルフィ」 「狼状態を要望されたのは初めてだ」  ヴォルフィはしばらくの間くすくす笑っていたが、やがて真顔になり、ぼそりとつぶやくように言った。 「よく考えるよ。律して理性的に振る舞おうとする僕は偽者で、薬で普段は抑え込んでいる衝動的で野蛮な狼が本性なんだろうなって」  リリスは今度こそ何か言わなければと思った。肝心なことを言えなくて、すれ違ってしまったのだから。
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