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「フェルディナントさん」
「何?」
犬獣人の脚の打撲に湿布を貼りながらヴォルフィは訊ねる。
「薬の原料を仕入れたいのですが、よい業者をご存じないですか?」
「え? 困ってたの? なんかこだわりがあるのかと思ってた」
「いえ、そんなものはあまりないです。薬師ギルドの紹介も、市場も、どうも今一つで……」
「もっと早く言ってくれればよかったのに。助けを求められたら、すぐ動くぜ、俺は」
「ありがとうございます」
手当てが終わったので、犬獣人はヴォルフィに問いかける。
「今日の代金はいくら?」
「今日は結構です。紹介していただくので」
「そんなこと言って、スタンプカードが九個からなかなか進まないんだけど! 俺、割引、結構楽しみにしてんのに!」
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