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「ヴォルフィはさあ、狼に変身しねえの?」
「満月の時は変身しやすいけど、普段は薬で抑えているから、ほぼ人間だね」
「へえ! 俺は変化しないからなあ。両方楽しめて、面白そうでうらやましいよ。変身しようと思ってできるもん? 見てみたい」
「たぶんできるけど、やだ」
「えー、ケチ」
「ケチじゃないよ。いざ見たら怖がられるんだよ、狼は」
「それで振られたとか?」
ディーノが冷やかすように言うと、ヴォルフィは黙ってしまった。
「悪い。冗談の気だった」
「狼は怖い生き物なんだよ。仕方ない」
「まあ、女は星の数ほどいるし、次だ、次! ヴォルフィはどんな子がいいんだ?」
「そんな簡単に割り切れないよ、ディーノ」
「いかにも人外らしい感性の持ち主だなってよく言われる!」
「それ、たぶん褒められてないよ」
「でも俺はこの図太さで生き延びてきた!」
それくらいの方がいいかもしれない、とヴォルフィは苦笑し、質問に答える。
「華奢で可憐な雰囲気の子が好きで、初めて付き合った子がまさにそんな感じだったんだ。手を握るだけで真っ赤になるくらい純情だったから、キスもできずにいたら、強引な男に寝取られて、デキ婚された」
「うわ」
「向こうから僕を選んでくれる女の子は、みんな気が強くてぐいぐい来るタイプで。いざ付き合ったら、優柔不断でいらいらするとか、前戯がしつこくて鬱陶しいとか、追いかけるのが楽しいのに気持ちが重いとかで、すぐに飽きられて振られた」
「ああー……」
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