第1話

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第1話

 失恋したてって、なんでこう弱っちゃうんだろう。何度経験しても、痛みはいつも同じ。弱っているから、普段は馬鹿にしてるようなものにも頼ってしまう。例えば……。 「お姉さん! 突然ですみませんが、お姉さんのこと占わせてもらえませんか?」  平日の夜、商店街で突然声をかけてきた若い男の子。マッシュウルフの髪型にピアス、Tシャツにジーンズ。ずいぶん背が高いな、私より頭2つ上。そして見た目と声からして20前後だろうか。アラサーの私相手にナンパとも思えない。 「占いねえ? 私、占いとか信じそうに見える?」  つい返事をしてしまうと、その男の子はニコニコ笑いながら答えた。 「いえ。全く信じてないように見えます」  ではなぜ声をかけた? ついツッコむ私に男の子は答える? 「実はですね、お姉さんの守護霊が気になってしまって」
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