3人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話
失恋したてって、なんでこう弱っちゃうんだろう。何度経験しても、痛みはいつも同じ。弱っているから、普段は馬鹿にしてるようなものにも頼ってしまう。例えば……。
「お姉さん! 突然ですみませんが、お姉さんのこと占わせてもらえませんか?」
平日の夜、商店街で突然声をかけてきた若い男の子。マッシュウルフの髪型にピアス、Tシャツにジーンズ。ずいぶん背が高いな、私より頭2つ上。そして見た目と声からして20前後だろうか。アラサーの私相手にナンパとも思えない。
「占いねえ? 私、占いとか信じそうに見える?」
つい返事をしてしまうと、その男の子はニコニコ笑いながら答えた。
「いえ。全く信じてないように見えます」
ではなぜ声をかけた? ついツッコむ私に男の子は答える?
「実はですね、お姉さんの守護霊が気になってしまって」
最初のコメントを投稿しよう!