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飲み会が終わり、ひなたがアパートに帰ったころには間もなく11時を回ろうとしていた。
「招き猫かー……ふふっ」
先ほどのやりとりを思い出しては笑っている。影山が話していた上司のあだ名もさることながら、それが誇張ではなかったことがまた可笑しい。他にも先輩方と色々交流でき、仲良くなれたと思う。
慣れない環境に身を置いてから、初めて楽しいことを味わえた気がした。
ちょうどその時、彼女のスマホが鳴る。
『帰ったー? 元気?』
「あー、お母さん」
チャットに「元気」と返信すると、すぐに絵文字が返ってきた。
「はやっ!」
一瞬空恐ろしくなったが、微笑みながらさらに絵文字を返す。
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