第1話「光と影のアナウンサー」

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「……ん!」  ラーメンをすすりながら、ほたるは目を見開く。 「美味しい! これは……10ほたる! 満点です!」 「ありがとうございます!」  店主は上機嫌である。 「これは何か隠し味があるんですか?」 「自分の……愛情です」  店内がすっと静まり返る。しかし、次の瞬間だった。 「……ずきゅん! 受け止めました!」  間を間とも思わせないような声量と勢いでほたるが返す。スタッフからも笑みがこぼれる。 「どうでしたか、自分の愛情は?」 「煮干しの深い味わいでした」  先ほどよりも大きな笑い声が現場を包む。後方から見守る明子は二度、三度頷いた。 「できるじゃない」  円満に撮影が終わり、明子はほたるに声をかけた。 「あのコメント、自分で考えたの?」 「はい。せっかく店長がノッてきて下さったんですから」 「うんうん」 「だってあれじゃ店長がすべったままになるでしょ?」 「うんうん……ん?」  ほたるの目はキラキラと輝いたままである。
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