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その時、温室の中へ更なる人物が入ってきた。
黒衣の老人と同じぐらいの年嵩のようだが、背は高く紳士然としていながらも白衣の上からでも分かる程の鍛えられた筋肉の持ち主であることが分かる。
「サード、こんな幼気な子供達をいじめちゃ可哀想だよ。」
低く深みのある声で取りなすように云う彼を、黒衣はなじるように睨めつけた。
「偉そうに、どうせまたお前が裏の戸口を壊したままにしたせいだろう、」
「ああその通りだ、すまなかったね。彼等への責めは俺が受ける。脅かすのはそのぐらいにしておいてあげておくれ。」
黒衣の人物は眉間の皴をより深くさせて白衣の人物を睨んだが、やがて苛立たし気に髪をかき上げながらアルビの方へ向き直った。
「青い花弁を全て吞み込みたまえ。噛みちぎっても問題はないだろうが、確実に視力を全て取り戻せるかは保証しかねるね。」
「あ、ありがとうございます!」
その後白衣の人物から貰った水で最後の花弁を流し込み、再び目が見えるようになると、アルビも渋々感謝と謝罪を述べた。
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