第二話 魔法使いの弟子

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 後日母親に作ってもらったフロランタンを携えて、双子は再び魔女屋敷にやってきた。  アルビが姿勢を正して呼び鈴を押そうとしたとき、ひとりでに開いた扉を見て双子は目を見張る。  勿論扉の向こうには人がいて、彼等が最も会いたくない人物達の顔をしていた。 「あれぇ、ジェミニ兄弟じゃないか。お前達もご機嫌取りに来たのかぁ?」 「言葉は正しく使え、ギェナー。俺達はこいつらと違って植物の勉強に来たんだからな、」 「サディルの云う通りだよ。本日は本当にお世話になりました。とても有意義なお話を聞かせていただきました。」  デネボラ達は扉を開けてくれた白衣に優等生のような顔で一礼し、去っていった。  アルビ達の方へ向き直った時だけ人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべた後で。
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