第四話 飲みニケーション

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   七月三十日(火) 午前八時三十分 剛田健介(再々々)  ああ、眩しい、腰が痛い。硬いベッドだな。いや、違う、金属……。えっ、どこ? どこだここ!? うん、らせん階段だ。ビルの横の。雨晒しの。らせん階段……。えっ、何? 嘘だろ? どこだよここ!  服は? ああ、持ってた。いや、何で着てないの? とりあえず服を着て階段を降りよう。どうした俺、こんなところで寝ていたのか。すっかり明るいが、今何時だ? 八時三十三分! ヤバい! スマホスマホ! 地図地図! 錦糸町……。  大変だ、遅刻する。とりあえず錦糸町駅まで走って、総武線快速に乗って、東京駅から走ればワンチャン会社に間に合うか……。ああ、頭から血の気が引く、気持ち悪い、いったん吐いてしまおう……。  よし、これで大丈夫、でもないが、走るしかない。いや、せめて自販機で水でも買って行こう……。
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