ラストワン

　あと一回、それだけなのに……僕は恨めしく眼前のクジを睨んだ。
　ここは某コンビニ、そのレジ横。その近くにはお目当ての人形が物欲しげにこちらを見つめている。何度目かのことか、財布を開けた。お年玉やお小遣いを貯めに貯めて諭吉さんを何枚かもってきたのだが、あっという間に無くなってしまった。残りはもう一回分のお金しかない。でもお目当てのラストワン賞、最後の一回クジを引いた人が貰える景品には届いてない。このままだと誰かに買われてしまうかもしれない。でもお金はない。僕は頭を抱えてしまった。