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※
スマイルに導かれ、一行は鶴岡八幡宮に急ぎ舞い戻った。すると本殿の背後の杜から、ゆらゆらと一筋の光が立ち上っているではないか。スマイルたちが力を合わせ、竜巻のように回転して場所を知らせているのだった。
「スマイルの茶柱どす。急ぎましょ!」
そこで皆が目にしたのは、木に絡まった蔦で無理やり首を括ろうとしている、絶望しきった鳩の姿だった。
「止めろ、八作!」
八兵衛が止めに入るより先に蔦が解け、八作は草の上にパサリと落ちた。
「また失敗だ」
羽で顔を覆い、さめざめと泣く。
「八作、大丈夫か!」
「これは、父上。天女様にハクトさんまで」
羽は汚れているが怪我はない様子に、八兵衛がほっと胸をなでおろす。
「八作や、一体何があったのじゃ。話してみなさい」
「はい、父上……」
八作が涙ながらに語った話はこうである。
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