この先もさくらと共に……。

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『どの運命に転がっていくか、見届けるだけだ』 彼の言葉に入り口から入ってくるさくらを見つける。 俺は、すかさずさくらにバレないように隠れた。 「すみません。スマホの忘れ物を取りに来たのですが……」 「お名前、よろしいですか?」 「あっ、はい」 『お名前で失礼します。皆藤(かいとう)さくらさん、皆藤さくらさん。受付までお越しください』 「今、呼ばれたので行ってみます」 「わかりました」 病院の玄関入り口の案内窓口を通りすぎて、さくらは診察受付の窓口までやって来た。 「一週間前から、お腹の張りがあって調子がよくないと書かれているのですが、どの辺りでしょうか?それによって、何科を受診するか決まるので」 「えっ?」 「どうされました?」 「忘れ物のスマホを取りに来ただけなんですが……」 「スマホですか?それは、届いていませんよ。こちら、間違いですか?」 「いえ、私です」 「それでは、どの辺りが張っていますか?」 さくらは、困ったように首を傾げながらも症状を説明した。 受付は、さくらにふさわしい科を紹介する。 「お名前で失礼します。皆藤さくらさん、どうぞ」 さくらが案内された科の先生の名前は、藤代心陽(ふじしろこはる)。 間違いない。 さくらの担当医だ。 どうか、神様。 さくらの病気が……。
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