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「で?で?詳しく聞こうじゃないか」
「話さなきゃだめか?」
店員さんからお冷とおしぼりをいただく。
だが、それにも目もくれず竟は喋り続けた。
「だめだ。『恋愛マスター』から逃れられると思うなよ?」
「お前も彼女いない歴=年齢のくせに何いってんだ」
「今、お前は触れてはいけないパンドラの箱に触れた……覚悟はできているな……??」
そう言って親友は般若の表情をこちらに向けてくる。
「悪かった。悪かったからその手に持っているフォークをこちらに向けないでくれ」
光が当たり輝くフォークは確かに美しく見えるが、凶器として向けられたそれは最早、狂気な光にしか見えなくなる。
……ダジャレじゃないからな??
「分かればよろしい。で、話を戻そう。夏璃の初恋の人について教えてもらおうか」
こいつからは逃げられない。
どこか諦めのため息をついた俺は、覚えている範囲だけを言静かに言葉として紡いでいった。
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