錬金術師と赤いもの

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それから数週間。 錬金術師は休む事なく研究室で作業を続けました。希少な材料を混ぜ合わせ、複雑な記号を描き、古代の呪文を唱えます。 弟子はその様子をジッと見守り、注意深くメモを取り、その過程を理解しようとしました。 (あれ……?) この時、弟子は錬金術師の体調が悪くなっているのを目の当たりにしました。彼の手は震え、何度も目を強く瞑って、ふらつく足取りで魔導書を取りに向かっているのです。 (お師匠様、きっと疲れ果てているんだ……) 弟子はとても心配しましたが、錬金術師は時間が無い事を理由に休む事を断りました。
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