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トンと日菜子の額が俺の胸にもたれかかる。
もちろんこんなことをしたのは俺の人生の中で初めての出来事。
けど、そんなことは頭の中にかけらもなかった。
これは全て思うがままの無意識の行動。
日菜子の髪にそっと触れる。
「怖かっただろう?もう大丈夫だから……」
日菜子を少しでも安心させたくて、俺はそう囁きながら日菜子の髪をゆっくりと撫で続けた。
日菜子から身体の力が抜け、その細い体も俺にもたれかかる。
少しは緊張が解けたのかもしれない……。
俺もホッとして……、そのままそこで日菜子の髪を撫で続けながら、さっきの店内での出来事を思い返していた。
よかった……。俺、ちゃんと間に合ったよな?
ギリギリセーフだった感がぬぐえないけれど、間に合ったって言っていいよな?
日菜子が絡まれているのを見た時、本当マジで心臓が止まりそうになった。
一瞬で頭に血がのぼったし、久しぶりに我を見失いそうになった。
まったく、俺もまだまだだな……。
学生ばかりのあの店を選択したことが間違いだった。
もう反省の一言だな。
それにしても――――、日菜子にすり寄ってた奴も、手をつかんでた奴も、思いだしただけでムカつくな。やっぱり一発ぐらい殴っとけばよかった。
後悔。
マジで殴っておけばよかった。
でも手を出したらまた部活禁止だな。
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