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「そうそう、取材費をふんだくる事も今では出来なくなったからな。いっそ居なくなった方がせいせいするってもんだ!」
「……そんな風に言うんだったら、本当に出て行きますよ」
「ああ出て行け、行けるものなら行ってみろ! ……もっとも日本中……いや、世界中を探したって、お前の居場所なんか何処にも無いだろうがな!!」
ワシが自分の言葉に大笑いしていると、星那が突然に机を蹴った。
「!?」
「――おじさん、正直に言ってくれて有難う。おじさんも、やっぱり他の人と同じだったのね。自分よりも劣っている者を笑ったりいじめたり、都合によって態度をコロコロと変えたり……。おもしろいくらいに予想通りの反応だったわ」
「何だと……?」
「それから、さっき私の事を『暗い』とか言っていたけど、私の性格はそれだけじゃ無いのよ。私は負けず嫌いだし、凄く根に持つタイプなんだから」
「だったらどうなんだよ! ワシがおらんと何も出来ない癖に生意気な!!」
「あ、ごめんなさい……私、もうおじさんに頼るのは止めるから。……言ったでしょ? 『ここを出て行く』って」
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