memory1 ラスト

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memory1 ラスト

「目を開けて」 その声の言う通りにすると、目の前には僕を見る二つの人影が。 「私の事が判る?」 「勿論です。……おはようございます、マスター。僕は識別ナンバー……」 「ああ、それは良いの。ここではロボットだからって、コードでなんか呼んだりしないから」 僕は起動チェックの一環として言おうとした事を中断させた。マスターは続ける。 「……あなたの名前は、ラスト。……これで良いかしら?」 「はい、マスター」 笑顔で応えると、マスターも微笑んだ。 「それから、彼は……」 「シェナといいます。どうぞ宜しく、ラスト君」 「こちらこそ、よろしくお願いします」 「彼は私を支えてくれる……言ってみれば、あなたの先輩みたいな人だから。何かあれば質問すると良いわ」 「はい、マスター」 「それじゃ、あなたの部屋まで案内するわね」 マスターはそう言って、ドアへと向かって歩き出した。僕がその後を追い、その後ろにシェナさんが付いてくる。 銀色の廊下を進み、暫くすると一つのエレベーターの前に着いた。マスターはボタンを押し、扉を開くと中に入って4階のボタンを指差す。
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