memory1 ラスト

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「一応この階にしようと思っていたんだけど……。もしかして別の所が良いとかって希望、ある?」 「いいえ……」 「じゃあ」 と言って、ボタンを押すマスター、次に扉が開いた時には、廊下の内装は銀色から水色へと変わっていた。 「ラスト。こっちよ」 案内されたのは、エレベーターに最も近い一室。中に入ればクローゼットやベッドなどの様々な家具が既に揃っていて、部屋自体も相当に広い。 「気に入って貰えたかしら?」 「はい、でも……」 マスターの言葉に、僕は少し戸惑ってしまった。 「……どうしたの? 別にシェナだけじゃ無くて、私にも何かあったら遠慮なく訊いて良いんだから。思った事を言ってごらんなさい?」 「判りました。……この部屋についてなのですが……」 「え、駄目? じゃあ別の部屋を用意させるから……」 「いえっ、あの……そうじゃ無くて、僕にはちょっと、贅沢すぎるのではないかと……」 これでも僕には、一通りの知識はインプットしてある(と思う)。その中の『ロボットの歴史』を参考にして、僕は躊躇しているのだ。
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