4人が本棚に入れています
本棚に追加
「費用さえ増やせば良い物が出来るとも限らないだろう。……星那ちゃんには、今のままで充分なんだよ」
「ううん、まだ足りないわ。そもそも、前から『材料が足りない』って何度もお願いしてるけど、最近はちっとも買い足してくれないでしょう? これじゃあ、新しい実験もロクにできないじゃないの……」
「……それはお前が役に立たん物ばかりを作っているからだ」
「え?」
コイツの御機嫌取りも、もう我慢の限界だ。とっくに取材陣も来なくなった事だし、出演料を頂く事も出来ん。それなのにいつまでも餓鬼をおだてて近くに置いていても、これ以上の役得は無いだろう。
「いいか、勘違いしているみたいだからこの際ハッキリとさせておいてやる。ワシはお前に都合の良い財布では無い。世間に公表できん様なシステムばかり作りおる小娘の為に、何故ワシが金をやらんといかんのだ」
「……おじさん……?」
「いい加減、お前も人工知能なんて厄介な物を研究するのはやめろ。もしもそれが明るみに出てしまったら、ワシも道連れに非難されるではないか。あんな、神をも畏れぬ物体を作り出すなぞ……」
「なに、何でおじさんがそんな事を知っているの……!?」
最初のコメントを投稿しよう!