prologue

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「費用さえ増やせば良い物が出来るとも限らないだろう。……星那ちゃんには、今のままで充分なんだよ」 「ううん、まだ足りないわ。そもそも、前から『材料が足りない』って何度もお願いしてるけど、最近はちっとも買い足してくれないでしょう? これじゃあ、新しい実験もロクにできないじゃないの……」 「……それはお前が役に立たん物ばかりを作っているからだ」 「え?」 コイツの御機嫌取りも、もう我慢の限界だ。とっくに取材陣も来なくなった事だし、出演料を頂く事も出来ん。それなのにいつまでも餓鬼をおだてて近くに置いていても、これ以上の役得は無いだろう。 「いいか、勘違いしているみたいだからこの際ハッキリとさせておいてやる。ワシはお前に都合の良い財布では無い。世間に公表できん様なシステムばかり作りおる小娘の為に、何故ワシが金をやらんといかんのだ」 「……おじさん……?」 「いい加減、お前も人工知能なんて厄介な物を研究するのはやめろ。もしもそれが明るみに出てしまったら、ワシも道連れに非難されるではないか。あんな、神をも畏れぬ物体を作り出すなぞ……」 「なに、何でおじさんがそんな事を知っているの……!?」
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