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「でも……っ」
「これ以上ワシに歯向かうな!! お前如きの頭脳を持つ奴ならば、探せば他に幾らでもいるんだ。……だが、お前の方はどうだ? ワシや家族の前でこそ、こうやってマトモな口を利く事が出来るが……見ず知らずの者の前では、途端に話せなくなりおって。そんなお前に資金を援助してくれる様な親切な人間は、ワシ一人くらいのもんなんだよ!!」
「……っ!」
「判ったら、とっとと自分の部屋にでも篭るんだな! もう少しマシな口の利き方を覚えて、それから立派な発明の一つでもしてから出直して来い!!」
ワシの言った事が図星なだけに、星那は一言も喋らずに部屋を後にした。
……ただ 、無言ではあったが怒りが表情にありありと見えていたがな。
――しかし、まったくもって阿呆な娘だ。自分一人の力では『何も出来ん』という事も判らんとは……。
そんな事を考えながらも茶を飲もうとしたら、時間が経ち過ぎていて既にぬるくなっている。
くそ、これもあの餓鬼の所為だ。忌々しい……。
ワシは益々腹を立てながら、(羊羹を食べる気も起きずに)ダイニングル ームを後にした。
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