1人が本棚に入れています
本棚に追加
がちゃりと永遠先輩がドアを開けると、足元に何かの気配を感じて、私は足を跳ねさせた。
「きゃあ!」
ドアの向こうに広がるのは、一面が棘のあるツタだ。
ツタの先には薔薇の花が花をつけ、ツタの深い緑色で埋められた部屋の中に、薔薇のピンクの点々がこぼれている。
ツタは、生きているかのように地を這い、天井を這い、私のからだにも絡み付いてくるように蠢いている。
「永遠先輩、なんですか、この部屋…!」
私は声をあげて、驚いた。
永遠先輩の姿がどこにもないのだ。
「あれ…?先輩、先輩ー」
私は先輩を探して、ツタの奥へと足を踏み入れた。
ツタをかきわけながら進むと、体にトゲが当たり、ちくちくと痛む。
「いたたっ」
私はツタを避けながら歩を進める。
しばらく歩くと、白い靄のようなものが見えてくる。
それは、カーテンだった。
最初のコメントを投稿しよう!