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エピローグ
食欲をそそる甘辛い匂い。
ちゃぶ台の上に置かれたホットプレート。
その上で焼かれているのは、お好み焼きだ。
よろずやに戻ってきた崇道を出迎えたのは、賑やかな食卓だった。
「……で、何やってんだよ」
「「『おこパー」」』
「おこ……はい?」
「たこ焼きパーティーは、たこパーでしょ。お好み焼きパーティーだから、おこパー」
「……で。白星。お前はなんで、まだここにいるんだよ」
佑の術によるものか、実体を持った白星が興味津々でお好み焼きを見ている。
『我は決めたのだ』
「何を?」
『我は崇道。そなたに宿る事にする』
「……はぁ!?」
それを聞いて、笑い出したのは佑だ。
「崇道、すごいな! 一柱持ちは聞いたことあるけど、二柱持ちは俺でも聞いた事ないぞ」
「ちょ、笑い事じゃないだろ。佑さん!」
「まぁまぁ。それはとりあえず置いといて」
その場をナミが仕切る。
「タカちゃん」
「崇道」
『崇道』
ナミ、佑、白星は、にんまりと笑う。
「何だよ」
崇道は少しアゴを引いた。
「「『おかえり!!」」』
崇道は、少し目を見張ると、ガシガシと後ろ頭をかいた。
「ただいま」
その夜、テンション高くお好み焼きを食べまくった四人は、胃で膨れた粉物の威力で撃沈したのだった。
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