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「ん……。痛っ」
少しクラっとしたが体を起こすと横にはリュック。
短パンの上に長ズボンを履いていたはずなのに、長ズボンは脱がされていて、リュックの横には弓と斧が置かれている。
矢は筒の中に沢山入っていてふたつあるが、左手になにか当たると思ったらいつもより小さいルールブック。
周りを見渡すと街中の公園のような所にいて、どちらが海なのか分からない。
とりあえずとルールブックを開くと
「えっと、個人戦……会った人と戦う?勝ったら武器その他を奪って良い……」
サッと目を通しただけだが、裏に簡単な地図が書いてあり、とりあえず立って荷物を背負い、武器を手に灯台を目指す。
生き残りは2名まで。
最後に書いてあったが、それまでこの島を出られないということなのだろうか?
《みなさん、ほとんどの人が目覚めましたね。これより個人戦、殺し合いゲームを行います。ルールは手元のルールブックに書いてあります。今回優勝出来るのは2名まで。条件はこの島にいる皆さんの生き残りが2名になるまで戦ってもらいます。この島のどこにでも出入りは自由。2名になるまで終わりません。休憩なども自由です。それでは楽しんでいきましょう!試合開始!》
開始って……
イヤホンは2回押して話しかけるが雑音が酷い。
やはり離れすぎていると繋がらないのだろうか?
「今公園だから」と地図と周りを見渡し、案内板を見つけたので確認して公園を出る。
案内板の全体図を見ると後ろは山。その反対が海。
灯台は二箇所あったが、ひとつは小さく、もうひとつは大きいと書いてあった。
どちらだろう?
小さい方は浜辺のそば。
大きい方は海沿いではあるがここからならそれほど時間はかからず着きそう。
歩いていると、目の前にゼッケンを付けた女子。
「たす、たすけ……」
倒れた女子に駆け寄るが怪我は無い。
周りを見るが誰もおらず、「大丈夫?」と声をかけた瞬間……
「きゃぁぁぁぁぁ!」
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