4.Kさんの写真

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 ──Kさんへ──  写真ありがとう。サッカーをしていたんですね。  Kさんが実在する人だとわかって安心しました。なんだか、女の子に人気がありそうですね。    今日、次の舞台の脚本が配られました。  次はコメディです。イメージは家族が出てくる日曜日のアニメみたいな感じ。  再来週、オーディションがあるんだけど、自分がどの役がしたいかわかりません。  主役は明るい主婦なのですが、旦那さんに不満を持っている設定です。  前なら、主役をやりたい! って手を挙げていたのに、今は自分に自信もやる気もあるのか分からないのです。  何でもできる、何でもやりたい。  あの頃の私はどこへ行ってしまっんでしょう……。  ──Uさんへ──  僕が実在するって安心してもらえて良かったです。 やっぱりサッカーやっていたように見えますよね。実はボールを買ってもらっただけで結局やりませんでした。|(カッコ悪い! )  女の子に人気があればいいんですが、そもそもいつも関わるのは、すごく年上の方ばかりで……。Uさんが一番年の近い異性の友人かもしれません。|(すいません。友人と言っちゃっていいですか? )  オーディションがあるんですね。  日曜日の国民的アニメのイメージかな?。  Uさんが演じると、どんなの風になるのか見てみたいなぁ。  でも、どんな役でも応援します!  もちろんファンなので出番が多い方が嬉しいけど、応援する気持に変わりはありません。  自信持ってください。  Uさんの言葉は心に響きます。  演技のことも舞台のことも、何も知らない僕が言っても信用できないと思うけど、僕がファンになったのが証拠です。  何でもできる、何でもやりたいあなたは、今チョットだけ隠れているだけですよ。  ──Kより──  私は手紙を胸に押し付け、唇をきつく引き締めた。  地下鉄の中だったから我慢できたけど、周りに人がいなかったら泣き出していたかもしれない。 読んだ手紙を封筒へ戻そうとすると、中にもう一枚紙が入っているのに気づく。   ──お会いしてお話できませんか? 土曜日正午から夕方まで地下鉄の三番改札前で待っています。  そう書いてあった。
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