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食事を終え、ジーンズを脱ぐとポケットから白い紙が落ちた。
地下鉄で拾った謎の手紙。
捨てるつもりだったのにポケットに入れたままだった。
私の書く大きさがバラバラなクセ字とは違い、文字の大きさもバランスも整っている、書道のお手本のような美しい文字。
不特定多数に向けて書かれたその手紙は、挨拶も、どの時間帯にでも対応できるよう網羅されていて、私に該当するのはこんばんはと、お疲れ様だ。
ふと、捌ききれなかったチケットのことを思い出した。
中学の頃から演劇部だった私は、都会で生きる術として、その時一番自信を持っていた演劇を選んだ。
身長も女子の中では高い方だったし、目鼻立ちのハッキリした顔は舞台で映えた。女優さんみたい! 美人! と田舎ではチヤホヤされていた。
私ってイケてる? 都会でも通用する?
何も知らない田舎娘が勘違いするのもしょうがないと思う。
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