サクライ リュウセイ編

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サクライ リュウセイ編

俺の兄ちゃんは戦士だった 俺が5歳の頃 兄ちゃんは17歳で戦士になることが決まっていた 「リュウセイ」 『兄ちゃん!!兵士になるんだってね』 「リュウセイはずっと母さんと一緒にいるんだぞ」 『え??兄ちゃんは』 「俺はこの国に全てを託した」 『俺も兄ちゃんみたいに』 「リュウセイはこの街にずっといるんだよずっと」 いつも俺に強要することはなかった でも、この時だけは真剣な表情を見せた 『じゃあ兄ちゃんはキリシマさんとかと働くの??』 「そうだよ!!訓練を乗り越えたから」 『訓練生は確実には戦士になれないの??』 「訓練生は毎回100人いるんだか兵士になるのはたったの7人だよ」 『な、7人!?少なすぎる』 「ココ最近怪物が襲ってくることはないからな戦士の需要がなくなってきてるんだよ」 『じゃあなんで兄ちゃんは戦士になろうと思ったの』 「昔キタムラ大佐に助けてもらったことがあるんだ」 『そうなの!?』 兄ちゃんの話によると 兄ちゃんは昔怪物に襲われそうになった その時に助けてくれたのがキタムラ大佐だったと言う 俺には特殊能力がある これは家族にも誰にも言ったことがない "未来"がわかる 兄ちゃんはこの後死ぬ 怪物にやられてしまう 『兄ちゃん行かないで』 「何言ってんだよ!!俺は戦士なんだぞ!!100人の内7人に選ばれた戦士なんだ」 そんな目を輝かせて言うから俺は止められなかった 俺が見た未来が間違っていたのかもしれない そう信じたくて俺は兄ちゃんを止めなかった いや、止められなかった 「兄ちゃん頑張るからな!!」 たかが訓練生の100人の内の7人 『う、うん応援してる』 怪物に比べたら全員ただの人間でしかない それを俺はまだ知らなかった 「今度帰ってきたら兄ちゃんが戦士になってわかった事をリュウセイに教えてやる」 『兄ちゃんの土産話楽しみにしてるよ』 「おう!!」 あの時兄ちゃんがかっこよく見えた 俺も兄ちゃんみたく戦士になりたい 兄ちゃんはその日の夜急な呼び出しで任務に出た そして家に帰ってくることはなかった。
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