シゲムラ ダイキ編

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シゲムラ ダイキ編

小さい時よく読んでいた絵本があった その絵本は怪物と人間が共存している絵が書いてあった 今では到底ありえないことだった 昔もあの絵本のように怪物と人間が共存していたと母さんは言っていた 「ダイキ…ごめんね」 『母さんどうしたの??』 ある夜の時(5歳)いつも通りベッドで寝ていた そんな時母さんが妹のミカをおんぶし 俺に「ごめんね」と何度もいっていた 『母さん??』 「ダイキ…あなたはここにずっといるのよ」 『どっか行くの母さん』 「ミカと行ってくる。ダイキはここにいなさい」 『朝には帰ってきてる??』 母さんは涙を流しながら微笑んでいた そして家を出ていった 母さんがこの家に帰ってくることはなかった でも俺は母さんの言いつけ通りこの家にずっと居た ガチャ 『だ、誰だ!!』 「君がシゲムラ ダイキ君だね」 『そうだけど…おじさん誰』 「君には僕がおじさんに見えるのか」 俺の前にいる男は笑っていた そしてナカヤマ ジュンと名乗った 『俺はここに居るんだ!!』 「君にはこの国を守って欲しい」 『母さんとミカが帰ってくるから!!』 「…君のお母さんから頼まれた君は俺が預かる」 この時初めて気がついた。 俺は…俺は"捨てられた"んだ 「この国の戦士になるために訓練生になってもらう」 『訓練生…??』 「この国を守る戦士は全員訓練をしているんだ!!この訓練をクリアした者のみ戦士になれるんだ」 『わかりました。』 俺はナカヤマさんの後を着いて行くことにした 明日また迎えに来ると言われた この家とも今日でお別れだ 俺は最後にまたあの絵本を読もうとしたが 家のどこを探してもなかった もしかしたら昼間に庭に置いたかもしれないと 俺は思い庭に繋がるドアを開けた すると、玄関には真っ青な顔をしたミカが倒れていた 『ミカ?おい、ミカ、ミカ!』 息はしていなかった 『おい!!ミカ…母さんは??なんで1人なんだよ』 ミカの手には1つの手紙があった 母さんが俺宛に書いた手紙だった ダイキへ 突然あなたのそばからいなくなってごめんなさい。 これには理由があります あまり詳しく話すことはできないけど ダイキならきっと乗り越えられると思ってます よく読んであげた絵本を覚えてますか?? あの絵本は怪物と人間の話だったでしょ 私とミカは怪物です。 ずっと黙っててごめんなさい あなた達の敵の怪物です ダイキにはあまり詳しく怪物の話をしたこと無かったけど… 怪物は今では人間の敵です 人間を殺して怪物だけの世界を作ろうとしています ダイキを助けるためにはあなたを置いていくしかありませんでした。 母さんはあなたのことが大好きです。 この手紙は誰にも教えてはいけないよ もしミカが倒れていたら森に返してあげてください。 ダイキを愛する母さんより 情報が多くてあまり理解することができなかった。 母さんとミカが人類の敵である怪物だってことも現実味なんてこれっぽっちもなかった でも兄としてミカを森に返さないといけないと思った 森はこの国では近ずいてはいけないとされている きっと森の中は怪物がいるからだろう 俺はミカをおんぶして森を目指した
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