《第》《壱ノ爪〜《屍喰らい》

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青年は怪しげな笑みを浮かべてそう言うとニンマリ笑うっ!!?その瞳は何処までも…空虚な目をしていて…全てを見透かしているかの様だった。そしてこれが後に《屍緋鞠の神隠し事件》と呼ばれる事件への幕開けでもあったのだ。 1889年3月とある神社に行ったのを最期にして行方がわからなくなった男性が現れた。当時の《新聞》では《神隠し》と大々的に報じられており《犯人》が誰なのか…誰にもわからなかった。警察は犯人の行方を追ったものの 事件解決へと繋がる決定的な証拠が見付からないまま数ヶ月の《時》が《流れ》…続けざまに…第二第三の《事件》が各地で起きて居た。そして…蝉時雨の声が聞こえ始めたあの夜も…そうで…事件後…鷹司雪芽は…左目を負傷している。 そう蝉が咽び泣く…蒸し暑い夜ノ帳〈弓張月〉の絵が描かれたあの屏風が…この事件をさらに深い物にした。後に鬼龍院宗家現家元〈鬼龍院煉〉は…この時の事を悔いていた…自分にもっと力があれば彼奴を逃がしては居なかったと…
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