《第》《壱ノ爪〜《屍喰らい》

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群れから逸れた狼の様であり…何処までも深い目が印象的だった。そこから這い出した《影》が溶ける様に…冷たい鎖となって彼に絡み付いて行くっ!!?淡い輪廻の針が彼の心を侵食し激しい痛みとなって逕庭門の内側へと流れて行くっ!!? 今より…100年以上も前…《不死丿化け物》として恐れられていた少年は…幽閉されていた…。水の滴る音と蝉の声しか聞こえない…その場所で…絶望に満ちた…屍ノ音が…少年の心を蝕んでいた。その瞳は淡い輪廻の色を映し出して居て… 狼の様に気高い眼差しであった。あの日見た景色が溶け合う様に…男の心の内側に深い哀しみが 投影されて行くっ!!?《十五》の《蝋燭》と焔の様に灯る…命の炎は何時までも消える事は無い… そして…成瀬誠という男の中に咲いた…咒いの花は深い輪廻となって…夜空に溶けて行くっ!!?その時に見えた…箒星を青年は今でも忘れて居ない…そして…その身に受けた…咒いを振り解く様に…走って来た数百年で…彼は強くなった…。
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