《第》《壱ノ爪〜《屍喰らい》

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狐の様に化けて…人々の心の中に入り…狡猾に…欺く術を学んだ…。雑踏に転がる人々の感情を巧みに利用して生き抜く術を学んだ。竹内萌音の曾祖母が居なければ…恐らく彼は…既に此の世界には居なかったろう?鬼龍院宗家…八代目当主の 血を引くその娘は…数百年以上も前にとある男と婚姻した。その男の(かばね)こそが《竹内》であり… その身に宿した…力は…狐の咒いすらも凌駕していた。水面に揺れる…《弓張月》の《反魂》は… 上弦となって…現世に這い出ていた…。哪吒玖(ナタク)の力の一端を受け継いだ二人の魂が共鳴し…淡い輪廻となって夜空に染み出していた。そこから見える景色が…投影されて男の心の内側に溶け合ってゆくっ!!?そして…女の中に咲いた 下弦ノ花は…荒みきった男の心を…解かすには充分だったのだ…。やがて…止まっていた時間が動き出し…少年は…ほんの少しだけ老いる事が出来た…。それだけで…彼の心は救われたのだ…そう?終わりの見えない…この人生に…ひとすじの
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