《第》《壱ノ爪〜《屍喰らい》

2/27
前へ
/28ページ
次へ
??「敬斗さま…また《本》を読まれているのですか?」敬斗「爺か?さまは付けなくて良いって言ったろ!!?僕は有栖川家の三男とは言え…親に棄てられた身…今はただの…成宮敬斗さっ!!?」青年は悲しげな顔でそう言うと… 手に取った本を棚に戻して少し目を細める。その瞳は化け物と罵られた少年とは思えない程に安らかで穏やかな顔をしていた。かつて有栖川と呼ばれたその少年は…生まれながらに特異な異能力を宿していた。それ故に…正式な子供とは 認められずに半ば強引に臣籍降下(しんせきこうか)させられたのである。そして彼が《有栖川》の《名》を 持っていた事は…ごく限られた一部の者しか知り得ない情報であり…爺と呼ばれた男は 青年の数少ない…理解者の1人だった…。それでも…青年には誰にも言えない《秘密》があった。それは長年連れ添った男にも言えない程…《業》が深く…《青年》の心の《内側》に何処までも深く深く《浸透》していたのであるっ!!?
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

365人が本棚に入れています
本棚に追加