プロローグ

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プロローグ

美帆(メイファン)、俺は大人になったら父親の跡を継いで、この国の皇帝になる。その時は……俺の隣にいてくれ」  この第六小国全体が見渡せる丘で美帆の幼馴染の暁明(シァミン)は真剣な眼差しで、黒髪が美しい少女に向かって言った。 「隣?文官として?」  美帆は意味をわかっていつつも、とぼけたフリをする。 「そうじゃなくて!もっと近しい……あぁ、もう!」  暁明(シァミン)は首を数回振り、自分の両手で頬をパチンと叩く。 「いつか俺の正妃に…将来、俺と結婚してください!」  叩いたためでもあるだろうが真っ赤な顔をして、それでも真っ直ぐ美帆を見つめて10歳の暁明は同じく10歳の美帆にプロポーズした。 「うん、約束。絶対ね。
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