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さてと、今日は家に帰る前に病院に寄らねば。
あれ、看護師さんはまだいないのか。読書しよ。
「は~い、お待たせ。肺結核のお薬ね。お母さんとお兄さんによろしく伝えといてね。」
「分かりました。」
「ほ〜、また難しそうな本読んでる。
なになに、夢野久作?知らなーい。この前は何か
額田女王なんて本読んでなかった?」
「そうですね、夢野久作を読むならまず江戸川乱歩を読むことをおすすめしますね。」
「へー。よく分かんない。それより涼ちゃん、
新選組興味ない、幕末あたり。」
「それよりってなんですかそれよりって。」
「まあまあ、で、どうなのよ。」
「ん〜。幕末はあんまり興味ないですね。それより平安昭和ですね〜。」
「あら、変わっているわね。というか何よ、
幕末興味ないって。人生の半分損してるわよ!!」
「平安と我が愛しき江戸川乱歩や夢野久作を興味ないと片付ける方が人生損してると思いますよ。そういえばこの前も和歌なんて名前しか知らないとおっしゃっていましたね。そんなんでよく日本人として生きてこられましたね。日本人なのに和歌を知らぬとは一回人生やり直したほうが、ああ、失礼。つい本音が。一回勉強し直したほうが良いですよ。」
「ちょっと、ニコニコしながら言わないでよ。普通に怖いのよ。まったく相変わらず口が悪いわね。
はいはい。気が向いたら、(ゾクッ)しかと勉強してまいります。ふー、というかそんな歴史好きなら幕末も好きになれば良いのにー」
「それはちょっと。」
「チェッ。」
「舌打ち良くないですよー。」
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