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「まぁ、いいっか」
しばらく、不服そうに口を尖らせたが、これから自分の願いが叶うと考え嬉しくなったのだろう、精霊は棒読みだった僕と正反対な口調で喋り出した。
「承知した。そなたの願いを叶えよう」
「似合わない口調だな」
「うるさい、すぐに似合うようになるから」
反論すると同時に、精霊は光に包まれた。
光に包まれた精霊は、あまりにも眩しくてシルエットしか見えなかったけれど、スタイルが抜群になっているのは見てとれた。
光が薄れ精霊の姿が見えてくる。
そこに立っていたのは、精霊が望んだ姿のはずだが、百パーセント僕好みの姿だった。
いや、百パーセント以上だ。僕は自分の中で理想のタイプを思い描いていたが、理想以上の女性が目の前に立っていた。
「凄い……ヤッター……」
鏡を見つめ、感動に震えている。
これだけ喜んでくれるなら、願いを精霊の為に使ってしまったのも悪くないか。
「凄い! これだけ美人なら、働かなくたって男をはべらかせて遊んで暮らせる!」
へっ?
「願いを叶えてくれて、ありがとう! 私はこれからアクティブに過ごすから、もう行くね」
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