第2章 カルマの後悔~1週間で路銀が尽きた。

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第2章 カルマの後悔~1週間で路銀が尽きた。

第1話 高い! 高すぎる!  探してみると、ごくまれに古代の魔法書やスクロールが売りに出されることがわかった。  しかし、それらは店先に並ぶようなものではなく、王都のオークションにかけられるもので、目玉が飛び出るほど高価だった。 「高っか~い! 無理無理無理! お金のかかる方法は無理だわ!」  自分の体を売って奴隷落ちしても、魔法書の頭金にもならない。 「人間一人よりも本一冊の方が価値が高いなんて、どういうことよ! ナンセンスだわ、不条理よ! こうなったら絶対に鑑定魔術を手に入れて、わたしの価値を証明してやろうじゃないの!」  冷静に考えてみれば鑑定魔術がなくとも付与魔術の商売はできる。世の中の付与魔術師はみんなそうしているのだ。  しかし、カルマの中では「鑑定魔術を得る」ことが存在理由(レゾンデートル)のポジションに納まってしまった。  要するに、「思い込み」だ。  こうなるとなまじ意志が強く、行動力が人並み外れていることが災いしてしまう。  カルマは「足で稼ぐ」方法で、自ら情報を探すことにした。 「え、えーと。鑑定魔術を得る手段で残るのは、『ダンジョンの宝珠』『エルフの古老』そして『古代都市遺跡』だったわね」  どれもこれも普通の人間が到達できる場所にはない。だが、それをいうなら普通人が鑑定魔術を得ることがそもそも無理なのだ。  プロ中のプロである魔術師ギルドの長が、鑑定魔術の習得法を知らないというのだから。  三つの方法の中では「ダンジョンの宝珠」を探す方法が最も現実的だった。他の二つに比べれば、とにかくダンジョンのありかはわかっているのだから。  はるか五百キロの彼方にその町はある。迷宮都市ヒメイジ、別名「冒険者の都」と呼ばれる町だった。
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