第3章 カルマの驚愕~刀に語りかけるって、そういうことじゃねぇよ!

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第3章 カルマの驚愕~刀に語りかけるって、そういうことじゃねぇよ!

第1話 答えは心の中にあるものよ! 「探し回るのはムダよ! そう、答えは自分の心の中にこそあるものよ!」  当てにしていた古代都市遺跡にも裏切られ、カルマは名言めいた言葉を叫んで自分をごまかした。  何をいっているのか、自分でもよくわかっていない。 「と、とにかく武器を手に入れて鑑定しまくるのよ。そのうちきっと鑑定魔術のスキルが身につくはず! たぶん。もしかしたら。ひょっとすると……」  酒場で路銀を使い果たしたカルマは、さびれた町の道具屋を訪れた。  カルマは、店先の樽に差してあるガラクタ武器に目を留めた。 「おっちゃん! この樽のガラクタ、これナンボ?」 「あん? そいつはどれでも銅貨一枚だ! 好きなの選んで持っていきな」  ごみとして捨てるよりは銅貨一枚で売り払った方が得なのだろう。店の親父は座った椅子から立ち上がりもせず、投げやりに言葉を飛ばした。 (ふっふっふっ。おっちゃん、相手が悪かったようね。このわたしは武器を愛し、武器に愛された女――)  カルマは樽に歩み寄り、目を閉じて右手をかざした。 「武器に語りかけ、武器の内なる声を聞く。それこそが鑑定魔術への道なり!」 カルマは手を伸ばし、真っ赤に錆びついた一本の刀を樽から引き抜いた。 「これだ! おっちゃん、これちょうだい!」 「えっ? そいつを選んだの? 悪い、そいつで金は取れねえ。タダでいいから、どっかに持って行って捨ててくれ」 「ふえっ? 何それ? この刀ってゴミ中のゴミ?」 「ゴミっていうか、前の持ち主がねぇ――ゴニョゴニョ」  店主の歯切れが悪かったのが気になるものの、銅貨一枚がタダになった。 「やったぁ! ラッキー! わたしの勝ちね!」  カルマは錆びた刀を肩に担ぎ、店主に手を振って別れを告げた。 「ああー、いっちまった。あの女、何事もなけりゃあいいが――」  店主の独り言はカルマの背中には届かなかった。
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