親友の死

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え? わたしの手からシャーペンが零れ落ちた。 「え、な、何を言っているんですか?」 気づいたら声を上げていた。 山崎先生はそんなわたしを見て 更に辛そうに顔を歪ませた。 「あなたは、押川さんと特に仲が 良かったから辛いでしょう。 こんなことを伝えたくはなかったのだけど…… ごめんなさいね」 「茉莉奈が、死んだ……?」 昨日まで普通に話していた茉莉奈が? 笑顔を見せていた茉莉奈が? 「嘘。だって茉莉奈は」 茉莉奈の人の良さそうな笑顔。 『咲耶』 そう呼びかける声。 視界がぼやけて気づくとわたしは泣いていた。 あのとき、止めていれば良かった。 ケガレ山に入ったせいだ。 木花佐久夜毘売の呪いが茉莉奈を殺したんだ。 頭が痛い。後頭部を鈍器で何度も 殴られているかのような痛みがわたしを襲う。 『木花佐久夜毘売様、 もう、親しい人を亡くしたくはないでしょう? だから、もう許してください』 どこからか声が聞こえてくる。 うるさい、うるさい、うるさいっ!!!! 先生がわたしの肩を揺さぶり何か言っている。 友人達も慌てているけどわたしに 何が起こっているの? そこで、わたしの視界は真っ黒に染まったのだった。
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