入学式パニック!

4/10
前へ
/11ページ
次へ
「はぁ、何とか撒けたかな〜!でもここどこ!?」 朧宮学園(おぼろみやがくえん)は小学~大学までエスカレーター式で上がる事ができるらしい。勿論その分学園は広く、無駄に広い敷地面積を誇っている為迷子者も多発する。 俺も例に漏れないその1人である事を今改めて痛感していた。 「誰かー!!いませんか!哀れな子羊が助けを求めてまーす!ヘルプ!月ー!!ヘルプ!」 「おい、そこで何をしているんだ。」 月讀(つくよ)さんとは違う威圧感を感じる声に驚き振り返ると、そこには赤髪で小柄な見覚えがある雰囲気の青年と、青髪メガネで紳士的な雰囲気の漂う青年が立っている。 「こんな場所でどうしたのですか?おや、貴方は確か…」 「光!夏希(なつき) (ひかる)です!迷子です!」 「夏希(なつき)さんですか。この先を抜けた場所に呼んでいた彼は居ますよ。」 「ありがとうございます!えっと。」 「ああ、私は生徒会副会長の千影(ちかげ) (ゆう)と申します。以後お見知りおきを。そしてこちらは…」 「光翔院(こうしょういん) (はる)だ。」 「そっか!(はる)くん千影(ちかげ)さんよろしくね!」 (はる)くんは少し目を見開き、千影(ちかげ)さんは一瞬ぽかんとした後少し困ったような苦笑いをうかべる。 「夏希(なつき)さん、彼はこの学園の…」 「(ゆう)。」 「あぁ、はい。この先を抜けた所に建物があるのですが、その場所に(るな)は居ますよ。」 何を言いかけたか気になるけどなんだろう…?そんなことを思いながら2人にお礼の挨拶をする。 「そうなんだ!ありがとう2人共!!」 「それと、この先猛獣注意なんで死なないように気をつけて下さいね。」 「??はい!」 千影(ちかげ)さんからなんか物騒な言葉が聞こえたような…気の所為だよね!そうきっと気のせいだ!嫌でも……? 千影さんが言っていた『猛獣』の意味に引っかかりながら2人に別れを告げ先に向かう。 037a045f-e890-4c28-9937-6c84d4df7b9f
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加