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「はぁ、何とか撒けたかな〜!でもここどこ!?」
朧宮学園は小学~大学までエスカレーター式で上がる事ができるらしい。勿論その分学園は広く、無駄に広い敷地面積を誇っている為迷子者も多発する。
俺も例に漏れないその1人である事を今改めて痛感していた。
「誰かー!!いませんか!哀れな子羊が助けを求めてまーす!ヘルプ!月ー!!ヘルプ!」
「おい、そこで何をしているんだ。」
月讀さんとは違う威圧感を感じる声に驚き振り返ると、そこには赤髪で小柄な見覚えがある雰囲気の青年と、青髪メガネで紳士的な雰囲気の漂う青年が立っている。
「こんな場所でどうしたのですか?おや、貴方は確か…」
「光!夏希 光です!迷子です!」
「夏希さんですか。この先を抜けた場所に呼んでいた彼は居ますよ。」
「ありがとうございます!えっと。」
「ああ、私は生徒会副会長の千影 優と申します。以後お見知りおきを。そしてこちらは…」
「光翔院 晴だ。」
「そっか!晴くん千影さんよろしくね!」
晴くんは少し目を見開き、千影さんは一瞬ぽかんとした後少し困ったような苦笑いをうかべる。
「夏希さん、彼はこの学園の…」
「優。」
「あぁ、はい。この先を抜けた所に建物があるのですが、その場所に月は居ますよ。」
何を言いかけたか気になるけどなんだろう…?そんなことを思いながら2人にお礼の挨拶をする。
「そうなんだ!ありがとう2人共!!」
「それと、この先猛獣注意なんで死なないように気をつけて下さいね。」
「??はい!」
千影さんからなんか物騒な言葉が聞こえたような…気の所為だよね!そうきっと気のせいだ!嫌でも……?
千影さんが言っていた『猛獣』の意味に引っかかりながら2人に別れを告げ先に向かう。
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