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佐々木、もっと見せてよ…
隼人が美緒の脚の隙間に手を滑り込ませると、美緒は小さく息を吐いた。高い声が混じりそれはだんだんと大きくなる。
美緒はいつもそうだ。
大きな声、大げさなリアクションでこの時間を楽しむ。
それはスポーツ選手が大声で自らを鼓舞しアドレナリンを放出してパフォーマンスを上げるためにする行為と似ていた。
相手の男はさも自分の体でテクニックで美緒が喜んでいると錯覚し、より興奮状態になる。
相乗効果でお互いハイになる。
隼人の舌は美緒の瑞々しい身体を滑り硬くなった突起をさらに硬くする。潤みを持った熱い襞の中へ侵入すると、さらに美緒は大きく喘いだ。体がくねり隼人の舌と指に連動して波を打つ。
「店長……てんちょ……美緒って呼んで……ねぇ、もうだめぇ……店長っおねがいぃぃっ」
「美緒、顔見せて、こっちむいて。美緒、かわいいね」
隼人に膝裏を掴まれグイっと肩の方まで持ち上げられると、美緒は少し顔をそらし恥ずかしそうにした。
「だめ、こっち向いて」
「やだぁ、はずかしい。そんなに開いちゃヤダ」
「嫌なの?じゃあやめる?」
「やめない……イジワルしないでっ……はやく、てんちょう……いぃっ……ぁはっ……あっ……」
薄暗いホテルの部屋には隼人と美緒のまるでドラマみたいなやり取りと肉と肉が激しくぶつかりあう音が充満していた。
増岡さんでも隼人さんでも無い、美緒は「店長」と呼ぶ。
それは隼人の自尊心をくすぐる呼び名だ。
自分と美緒との関係が明確になる。自分が主導権を握っていると思える。
いつもひとより上に立っていたい隼人には最適な呼び名だった。
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