『不幸せのお裾分け』

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「あぁ、サッパリした!」 お風呂から出ると、ちょうど陽介が晩酌をしていた。 道子は律子を寝かしつけていて、リビングには私たちしかいない。 あられもない下着姿のまま、長い髪の毛をバスタオルで拭く。 とても、三歳の子を産んだとは思えないプロポーションだろう。 あの子は妊娠しているが、体はまな板のように平坦だ。 性格だけじゃなく、身体も面白味がない。 「麗子さん、ちょっとその格好でうろつかれるのは…」 「えっ、どうして?なんかまずい?」 「目のやり場に困るっていうか、なんていうか」 「やだ。陽介さん、中学生みたい。ちゃんと道子とエッチしてる?」 そう尋ねると、陽介が発泡酒を盛大に噴き出した。 「もう、何してるのよ」 バスタオルで拭いてやると、股間にテントが張っているではないか。 夫婦揃って、なんてウブなのかしら? でも、意外とそういうところが可愛いかも。 「だ、大丈夫だからっ!」 咄嗟に立ち上がったが、座っていたほうが目立たなかったのに。 だから股間の膨らみを指差し、フフッと笑う。 「そこは大丈夫じゃないみたいだけど?」 「あっ…!」 慌てて屈む姿が、なかなかいじらしい。 「なんなら、お相手しましょうか?」 今日はこのくらいにしておこう。 まだまだ獲物を追い詰める時間は、充分にある。
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