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「ただいまです、はい、帰ってきました」
帰ったきたのは将棋のおじいちゃんでした。
「ワルツはどうしたんですか?」お母さんは聞きました。
「はい、僕もワルツと言います」ニッとおじいちゃんは笑いました。
「ええ!」お母さんもソングちゃんもびっくりです。
「金のどんぐりは?」ソングちゃんが聞きました。
「えっと、えっと、僕は若い頃からずっと将棋をしてて、でもタイトルを取ったのは遅くて、30歳を過ぎてからで、棋王、王将とタイトルを取って、40歳を超えてからやっと名人になりまして、ええ、はい、ありがとうございます」
そう言っておじいちゃんは早口で捲し立てた。
「あの、うちの息子は将棋しているのでしょうか」お母さんが聞いた。
「いや、将棋さしてる途中でイノシシに襲われまして、それで男の子が僕を助けてくれて、ありがとうございます」
「イノシシ!うちの子は大丈夫なんですか」
「投げ飛ばしていました。イノシシを。大きかったですけど」
「ただいま」ワルツくんが帰ってきました。
「金のどんぐりは見つからなかったけど、イノシシ捕まえてきた」
「お兄ちゃんおかえり!無事だったのね」
お母さんもソングちゃんも大喜びです。
「じゃあ今日はみんなでボタン鍋にしましょう」お母さんがそう言いました。
「やったあ、お母さんのボタン鍋大好き!」兄妹は揃って言いました。
「じゃあ、僕も」おじいちゃんも一緒に喜びました。
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